光が届かない場所でも育つ陰性水草10選|育て方のコツも紹介

陰性水草とは?明るくない場所でも育つ水草の魅力

陰性水草とは、強い光を必要とせず、比較的弱い光でも育つ種類の水草を指します。アヌビアス、ミクロソリウム、ボルビティスなどが代表的で、光量の少ない場所でも枯れにくく、初心者にも扱いやすいのが特徴です。

また、陰性水草は成長がゆっくりなため、トリミングの手間も少なく、レイアウトが安定しやすいのも魅力です。陰影を活かしたレイアウトや、シックな雰囲気の水槽を作るのにぴったりです。

この記事では、光が届きにくい環境でも元気に育つ陰性水草10選と、その育て方のポイントを解説します。


照明が弱くても育つ陰性水草のおすすめ種

陰性水草は種類ごとに性質や育て方が異なります。ここでは特に育てやすく、美しい葉を持つ10種類を紹介します。

アヌビアス・ナナ

厚みのある濃い緑の葉が特徴。流木や石に活着させるだけで管理が簡単。
耐陰性:非常に高い/CO₂:不要/成長:ゆっくり

ミクロソリウム・プテロプス

シダ系の水草で、流木に活着可能。葉が繊細でレイアウトに動きを加える。
耐陰性:高い/CO₂:不要〜少量/成長:中程度

ボルビティス・ヒュデロッティ

美しい深緑のシダ系水草。水流を好むため、フィルター付近がベスト。
耐陰性:高い/CO₂:あった方が良い/成長:やや遅め

アヌビアス・バルテリー

ナナよりも大きな葉を持つアヌビアスの仲間。大型水槽におすすめ。
耐陰性:非常に高い/CO₂:不要/成長:ゆっくり

クリプトコリネ・ウェンティー

ソイルに植えるタイプ。葉の色や形にバリエーションが豊富で人気。
耐陰性:高い/CO₂:あった方がよい/成長:中程度

ジャワファン

細長くて柔らかい葉を持ち、ナチュラルな雰囲気を演出できる。
耐陰性:高い/CO₂:不要/成長:遅め

バリスネリア・スピラリス

長く伸びるリボン状の葉が特徴。後景に適しており、光が弱くても育つ。
耐陰性:中〜高/CO₂:あれば効果的/成長:早め

アマゾンチドメグサ

丸い葉が特徴の浮遊系陰性水草。レイアウトのアクセントにぴったり。
耐陰性:中〜高/CO₂:あった方が良い/成長:中

モス類(ウィローモス、南米モスなど)

岩や流木に活着させやすく、光量が少なくても問題なし。生体との相性も◎
耐陰性:非常に高い/CO₂:不要/成長:ゆっくり

ピグミーチェーンサジタリア

前景用だが、比較的弱い光でも横に広がる性質がある。
耐陰性:中〜高/CO₂:あった方が良い/成長:中


陰性水草の育て方の基本と注意点

陰性水草は育てやすいとはいえ、放置しているだけで美しく育つわけではありません。育て方の基本をしっかり押さえることが重要です。

植え付けと固定の方法

陰性水草の多くは根をソイルに埋めず、活着させて育てるタイプです。

  • アヌビアスやミクロソリウム:根茎が埋まらないよう、流木や石に巻き付ける

  • クリプトコリネ:ソイルに浅く植える。根が深く張るのでスペースを確保

  • モス類:テグスや専用接着剤で固定する

活着タイプは、成長とともに自然に根付き、景観にも馴染んでいきます。

肥料とCO₂の必要性

多くの陰性水草はCO₂添加がなくても育成可能ですが、CO₂を加えることで発色や成長が良くなります。肥料も同様で、必要最低限で十分ですが、液体肥料を週に1回程度追加することで葉のツヤや色合いが改善します。

  • 肥料は鉄分とカリウムが少量含まれたものを選ぶ

  • 過剰添加はコケの原因になるので控えめに


光量が足りない環境でも陰性水草を元気に育てるコツ

部屋が暗い、水槽の奥や下の方など、光が届きにくい場所でも元気に育てるにはいくつかの工夫が必要です。

レイアウトで光の通り道を作る

陰性水草を配置する場合は、他の水草や流木の陰にならないように配置するのがコツです。高い位置に明るい水草を配置しすぎると、陰性水草に光が届きません。

  • 前景〜中景には背の低い陰性水草(ナナ・モス類など)を配置

  • 流木を使って光のトンネルや影を意図的に作ると自然感もUP

水流で栄養を届ける

光量が少ない環境では、水流によって肥料やCO₂をしっかり行き渡らせることも大切です。陰性水草は水がよどむ場所に置かれやすいため、水流の方向やフィルターの設置場所を工夫しましょう。


陰性水草の維持管理とトラブル予防

最後に、陰性水草を長期間元気に保つための管理方法と、起こりやすいトラブルの対処法を紹介します。

葉の黄ばみや黒ずみの原因と対策

陰性水草でよく見られるトラブルは、葉の変色や傷みです。

  • 葉の黄ばみ:鉄分不足の可能性 → 液体肥料で補う

  • 葉の黒ずみ:光量過多や栄養過剰 → 照明時間を短縮、肥料を控える

  • 葉の穴あき:カリウム不足 → 専用の液体肥料を少量追加

また、古い葉は自然に枯れることもあるため、定期的な古葉の除去も行いましょう。

コケの発生を抑える管理法

陰性水草はコケに埋もれると葉が傷んでしまいます。以下の対策が効果的です。

  • 照明時間を6〜8時間に制限

  • ヤマトヌマエビやオトシンなどのコケ取り生体を導入

  • 水換えを週1回以上実施

コケを見つけたら早めに除去し、栄養バランスや照明時間を見直しましょう。


まとめ|陰性水草はレイアウト自由度と育てやすさのバランスが魅力

陰性水草は、光が弱い環境でもしっかりと育ち、アクアリウムの陰影や立体感を引き立ててくれる存在です。CO₂や肥料の管理がシビアでないため、初心者にもおすすめです。

重要なのは以下のポイント:

  • 耐陰性のある種類を選ぶ(ナナ、ミクロソリウム、モスなど)

  • 活着方法や肥料の与え方を適切に行う

  • 光量が弱くても水流と配置を工夫する

  • 葉の変色やコケの発生に早めに対処する

しっかりと育てることで、静かで落ち着いた水景を演出できるのが陰性水草の最大の魅力です。水槽内の“光の届かない場所”も活かして、美しいアクアリウムを作ってみましょう。

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